CWSCでは会員どうしの気軽な交流の場として「内部勉強交流会」を開催しています。
この度、桐生市で地域に根付いた地元企業である団体会員の取り組みをテーマに内部勉強交流会を行いましたので、会の様子をこちらで紹介させていただきます。
参加人数 スタッフ、発表者含め会員15名(告知は会員限定のメーリングリストにて実施)
星野管工さんが、地元・群馬県桐生市で目指していらっしゃる”水の地産地消”による持続可能なまちづくりの取り組みを発表していただきました。
桐生市には渡瀬川と桐生川が流れており、明治時代は「桐生織」という織物産業が盛んだったそうです。織物の産地としては国内トップクラス、 “西陣の対となる東の桐生”と呼ばれるほどだったとか。織物業者の建ち並ぶ市街地には南北に水路が張り巡らされ、染色や水車を用いた撚糸に使用されましたが、戦後、織物の衰退により水路の99%もが消滅してしまい、残りの1%は井戸として私有地に点在しているにとどまるのだそうです。
そうした伝統ある地域の資源である水を、これからの郷土づくりに生かしたいと考えられたのが、同社の代表取締役社長の星野尚香さんです。
星野さんが標榜するのは「水の地産地消」。星野管工では市街のどこにどんな水路が走ってどのように使用されてきたのかの歴史も丹念に把握し、井戸や湧水といった身近な水源からの水を街の活性化や水道未普及地区への給水などに活用できないかと考えておられるとのこと。そのための一歩として、今、地域の商店や企業に直接働きかけ、地元水源の水を使えないか具体的に提案しているのだそうです。
地域の水を使うための技術として注目しているのが、粗ろ過・緩速ろ過(生物浄化法)です。数年前からは、社内に小規模の粗ろ過・緩速ろ過(生物浄化法)モデルを設置しテスト運用をされています。その小規模モデルはCWSCの個人正会員の岩瀬さんより技術的な指導を受け運用されています。モデル現物は、前年度2023年2月に開催した現地&オンラインでの内部勉強交流会で、会員に公開していただきました。
後半の質疑応答では、小規模モデルの技術的な話題や、街中の水飲み場に実際に緩速ろ過による浄水を用いようとした場合の課題解決のアイデアが出し合われたり、実際に粗ろ過・緩速ろ過を用いた浄水施設を長年手がけておられる方々などからの意見が交換されました。
生物浄化法の提唱者でもある中本先生からは、緩速ろ過を用いた場合の水飲み場を運用する際、流しっぱなしにすることが合理的であることや、瀬野理事からは、過去にCWSCが設立を支援し岡山県津山市で実稼働している小規模飲料水供給施設での滅菌に使う電源機器についてなど、具体的な助言や意見が活発に交わされました。
地域の水道が、まちの住みよさや誇りにもつながり、持続可能なまちに近づく手段にもなり得るという、まさに「地域水道支援」を冠する当会らしいお話でした。
★CWSCでは、今後も会員どうしの気軽な交流の場を設けていく予定です。会員の皆様はぜひ発表したい話題や学び合いたいテーマがある場合は、事務局までメールでご連絡ください。