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まず、緩速ろ過法(生物浄化法)について、CWSC理事でもある中本信忠(信州大学名誉教授)氏に解説いただきました。中本氏は、長年の緩速ろ過研究からこの浄化法が生物群集の機能によるものであることに注目し「生物浄化法(Ecological Purification System)」と名付けました。サモア、フィジー、中国などでの村落給水施設設置事業に貢献した事例もお話しいただきました。
画像1 中本信忠氏
次に、傾斜土槽法について、生地正人(株式会社四電技術コンサルタント)氏に解説いただきました。傾斜土槽とは、底面が傾斜した薄層構造体に担体(吸着や触媒活性を示し、他の物質を固定する土台となる物質のこと)を充填したもので、これを用いた水質浄化法が傾斜土槽法です。
画像2 生地氏
バングラディシュの無電化村に設置して重金属類で汚染された井戸水の汚染物質の除去に成功した事例、スリランカではBOD30mg/L の原水が浄水可能なことを実証した事例、国内では香川県畜産試験場での実証試験の例についてお話しいただきました。
第2部では参加者との議論を行いました。
緩速ろ過法(生物浄化法)については、濾過砂利を開発途上国で調達する方法、できた水の安全度、上向き粗濾過の詳細などについて話し合いました。
傾斜土槽法については、材料、設置角度、材料の設置方法、生活排水の温度が浄化に与える影響などについて話し合いました。
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ご参加いただいた皆様と講師のお二人に、心からお礼を申し上げます。